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8月 7, 2025の投稿を表示しています

キムかつ冒険活劇 第三話 鉄拳8異世界トーナメント:一八 vs 伝説の獣人

    白い光の渦に飲み込まれたキムかつは、目を閉じたまま、まるで高速でエレベーターが上昇するような浮遊感に包まれていた。腕の中にしがみつく茶トラねこのぷーあると、肩に乗った茶白ねこのうーろんの温もりが、わずかな安心感をくれる。一体どこへ行くのか、どんな世界が待っているのか、想像もつかない。 やがて、その浮遊感は止まり、光が急速に薄れていく。恐る恐る目を開けると、そこは先ほどの巨大な歯車が回る異空間とは全く異なる、広大な円形闘技場の真ん中だった。周囲からは、ざわめきと熱狂的な歓声が響き渡る。 「な、なんだここ…!?」 キムかつの目の前には、土が敷かれた真新しい闘技場が広がっていた。周囲を何段もの観客席が取り囲み、色とりどりの衣装をまとった様々な種族の観客たちが、身を乗り出すようにしてこちらを見つめている。人間らしき者もいれば、獣の耳や尻尾を持つ者、あるいは鱗に覆われた者まで、まさに異世界感満載だ。上空には巨大な飛行船がいくつも浮かび、その船からも観客たちが下を覗き込んでいる。 そして、彼の足元には、なぜか巨大な「鉄」の文字が刻まれたプレートが埋め込まれていた。 「このプレートは…まさか…!?」 キムかつが呆然としていると、闘技場の中央に立つ、屈強な体格の司会者が高らかに叫んだ。 「さあ、皆の衆! 長らくお待たせいたしました! これより、我らが異世界格闘大会、最終戦が始まるぞおおお!」 「い、異世界格闘大会!?」     キムかつは思わず叫んだ。なぜ、この異世界で、自分が最も愛する格闘ゲームを彷彿とさせる大会が開かれているのか。混乱がピークに達する。 「対戦者はこの二人! まずは、我が地の誇る最強の戦士! 伝説の獣人、グリズリー・ベアッー!」 司会者の声と共に、闘技場の奥から咆哮が響き渡った。現れたのは、身長3メートルはあろうかという巨大なクマの獣人だった。全身を分厚い毛皮に覆われ、鋭い爪を持つ手が荒々しく振り回されるたびに、周囲の空気が震える。その眼光は鋭く、まるで獲物を狙うかのようにキムかつを射抜いていた。観客たちは狂喜乱舞し、地鳴りのような「ベアー!」コールが響き渡る。 「そして対するは…! 謎の光の中から現れた、異界の挑戦者! キムカツゥー!」 スポットライトがキムかつに当たる。観客たちの視線が一斉に彼に集中し、先ほどの熱...