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7月 24, 2025の投稿を表示しています

キムかつ冒険活劇 第二話 時空を超えし猫たち:うーろんとぷーあるの秘密

   謎のローブの人物が放った黒い光線を紙一重でかわしたキムかつは、両腕でサイクロン号をしっかりと抱え込むように持ち、その瞳に闘志を宿していた。 肩に乗る茶白ねこのうーろんと、腕にしがみつく茶トラねこのぷーあるも、異様な空間と敵の存在に警戒を強めているようだ。 「俺は戦いたくはないが…お前たちが猫たちに危害を加えるなら、容赦はしない!」 キムかつは、自らの意思とは裏腹に体が勝手に動くような感覚に戸惑いつつも、目の前の敵と対峙する覚悟を決めた。長年培ってきた格闘ゲームの反射神経と、いかなる状況でも逆転を諦めないゲーマー魂が、彼の全身に漲っていた。 ローブの人物は、キムかつの変貌ぶりに一瞬ひるんだように見えたが、すぐに冷笑を浮かべた。 「面白い…ただの人間にしては、並々ならぬ気配を放つな。その妙な機械のせいか? しかし、この時の狭間で抵抗しても無駄だ。ここは過去と未来、あらゆる並行世界が混じり合う混沌の空間。お前のような存在は、すぐに時の塵となるだろう!」 そう言い放つと、ローブの人物は再び杖を構え、今度は無数の黒い影の塊を放ってきた。影の塊はまるで意志を持ったかのように、キムかつの動きを予測して襲いかかる。 「くそっ!」 キムかつはサイクロン号を両手でしっかりと押さえつけ、左手でレバーを、右手でボタンを高速で操作する。 彼の頭の中には、愛用する格闘ゲームキャラクターの技表が高速で再生されていた。その瞬間、彼の背後に異変が起きた。 まばゆい光が迸ると共に、まるで彼の意志が具現化したかのように、屈強な男の幻影が立ち現れた。 その幻影は、キムかつの愛用キャラクター「三島一八」の姿を模しており、冷徹な表情でローブの人物を見据えている。 「行くぞ! 風神拳!」 キムかつがサイクロン号のレバーを素早く入力し、特定のボタンを叩き込むと、彼の背後に現れた幻影の男が、その言葉に呼応するかのように稲妻を纏った拳を突き出した。その拳は、影の塊の群れを次々と粉砕していく。       しかし、影の塊はしつこい。一つを粉砕しても、次々と新たな影が押し寄せてくる。 「ニャー!」 その時、腕にしがみついていたぷーあるが、突如として身を乗り出し、影の塊の一つに向かって飛びかかった。茶トラの小さな体が、信じられないほどの速度で宙を舞う。そして、ぷーあるの...